腎臓は、握りこぶしくらいの大きさの臓器で腰の辺りに左右対称に2個あります。身体の中でとても重要な臓器で、全身を巡る血液の中から老廃物や塩分を濾過し、尿として身体の外へ排出する働きをします。また、身体にとって必要な成分は再吸収し、体内の水分量や電解質の調整を行っています。それ以外にも、血圧の調節をしたり、赤血球をつくるホルモンを産生したり、丈夫な骨を作る働きも担っています。健康を維持するために不可欠な腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物や毒素が溜まることになってしまい、身体全体に様々な影響を及ぼします。
腎臓内科では、蛋白尿や血尿を指摘された方や腎臓の機能が低下していると言われた方など、腎臓について早期から腎不全まで総合的に診療を行っております。
腎臓内科で扱う主な症状
このようなことや症状がある方はご相談ください。
- 健康診断等の尿検査で、尿蛋白や尿潜血を指摘された
- 血液検査で、クレアチニン値やeGFRの値が異常値であった
- むくみや血尿がある
- 糖尿病と診断されている方で、尿蛋白を指摘された
ご紹介した症状は一例になります。その他にも、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
健康診断等の尿検査で、尿蛋白や尿潜血を指摘された
尿蛋白陽性
尿の中に蛋白が検出された状態を指します。腎機能の低下や腎臓の病気を発見する大切なサインになります。一方で、風邪で発熱した後や、ストレスのかかった時、激しい運動をした後などでも一時的に蛋白尿がみられることがあります。これは生理的蛋白尿と呼ばれ、病気による蛋白尿とは区別されます。
尿潜血陽性
尿の中に血が混じっている状態(厳密には、尿に赤血球が排出される状態)を指します。見た目では分からないレベルの血尿(顕微鏡的血尿)の場合もあり、健康診断の際に行った尿検査にて指摘されて分かることが多いです。
尿蛋白や尿潜血が持続している場合、慢性腎臓病や急性・慢性糸球体腎炎など腎臓の病気が起きている可能性があります。一時的な陽性なのか、持続しているのか、また程度はどのくらいなのかによって診断や治療方法が異なりますので、原因を見極めることが重要です。
血液検査の結果で、クレアチニン値やeGFRの値が異常値であった
腎機能の状態を確認する目安として、血清クレアチニン(Cr)値を基に、性別と年齢を式に当てはめて計算したeGFR(推算糸球体濾過量)が用いられます。健康診断の項目にクレアチニンが入っている場合や、血液検査でクレアチニンを測定した場合、検査結果の用紙にeGFRの値も載っていることがほとんどです。
eGFRは90 mL/分/1.73 m2以上が「正常または高値」、60~89 mL/分/1.73 m2が「正常または軽度低下」とされており、値が低いほど腎臓の働きが低下していることを示します。
腎臓の障害を示唆する所見(尿蛋白や血清クレアチニン値の上昇など)eGFRの値が60 mL/分/1.73 m2未満の腎機能低下。
1と2のいずれか、もしくは両方が3ヶ月を越えて続いた場合に、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
慢性腎臓病は初期には自覚症状が現れず、自身では気付きにくい病気です。そのため、血液検査や尿検査にて腎臓の状態を確認し、早期発見・早期治療を行うことで進行を防ぐことが大切です。
むくみや血尿がある
むくみは、何が原因で起きているのかいろいろな可能性が考えられるため、受診時に原因を探していきます。血尿(肉眼的血尿)は、腎臓の働きが原因の場合もあれば、膀胱や尿管など泌尿器科の受診をしていただいた方が良い場合もあります。
糖尿病と診断された方で、尿蛋白を指摘された
糖尿病と診断された方で尿蛋白を指摘された方は、糖尿病性腎症の発症に注意する必要があります。糖尿病性腎症は糖尿病の合併症の一つです。第1期(腎症前期)から第5期(透析療法期)まで進行段階があり、治療方法も異なります。できるだけ早期発見し、適切な治療を行うことで進行を防ぐことが期待されます。糖尿病腎症について詳しくは糖尿病内科ページをご覧ください。
糖尿病腎症については、こちらも併せてご覧ください。
糖尿病合併症について
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医師のご紹介
新田 孝作
腎臓内科
- 専門分野
- 腎臓内科一般、慢性腎臓病、急性腎障害、腎炎、ネフローゼ症候群、難治性血管炎、透析療法、移植腎病理、糸球体腎炎、血管石灰化、慢性腎臓病
- 資格・学会等
- 日本内科学会認定内科医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本腎臓学会専門医
日本腎臓学会指導医
日本腎臓学会評議員
日本腎臓学会元理事
日本透析医学会専門医
日本透析医学会指導医
日本透析医学会元理事
米国腎臓学会会員